当院が実践する統合医療と中医学について
統合医療とは
統合医療とは、現代西洋医学的な手法のみならず、幅広くペットの疾病や不調に対して治療を行なっていく医療のことで、西洋医学とは異なる観点から生体(ペット)を見つめることができます。
病気や病気が起こる背景まで詳しくみていくことで、治療のみならず、改善後の予防や健康増進まで包括的に見ていきます。
特に生活の質の向上を目的としており、ペットやそのご家族を中心に据えた医療を目指しています。
当院では、西洋医学にプラスして、中医学を診療に取り入れることで、その子の今の状態に合った体に優しい診療を実践していきます。
中医学について
中医学は、バランス医学です。
ペットのご家族から今の状態を詳しく伺って身体と心の全体像を把握し、最適な治療方法を導いていきます。
そして身体全体のバランスを整え、今後の健康的な生活をサポートしていきます。
また、医療的な侵襲(身体に対する負担)が出来る限り少ない方法で痛みを緩和させるなど、ワンちゃんネコちゃんが治療によって受けるストレスを最小限にしつつ状態を改善に導くよう努めてまいります。
当院で行う中医学は、主に漢方と鍼灸療法になります。
ワンちゃんネコちゃんに対する適用範囲は、人と同様幅広く、様々な疾患や状態に適応されます。
中医学によって症状が改善する例として、以下のものなどが挙げられます。
例)
- 足腰の痛み
- 皮膚のかゆみや炎症
- 慢性の咳やぜんそく
- 下痢や便秘などの消化の問題
- 膀胱に結石ができてしまう問題
- 心臓の病気
- 認知症や徘徊などの老齢に伴う神経系疾患
これらのほか「なんだか元気がない」「食欲が今までと違って、あまり食べなくなった」「お散歩に行きたがらない、寝ていることが多くなった」といった病気を特定できない状態に対しても、中医学的な診断と治療が最適な場合もあります。
漢方、鍼、灸について
漢方薬は、植物など天然物をベースとした生薬(しょうやく)を組み合わせたものです。当院では、動物用に調整された錠剤の漢方薬を主に処方しています。
錠剤は飲みやすいので、毎日のお薬として続けやすいです。
病態によって、複数の漢方錠剤を組み合わせたり、漢方薬と西洋医薬品とを組み合わせるなど、その子に応じた治療や養生を行います。
歩行障害、椎間板ヘルニア、関節炎、てんかん発作、前庭(内耳にある感覚器官で、平衡感覚を司る)疾患、認知障害、腫瘍、犬アトピー性皮膚炎、鼻炎、心臓病、腎臓病、肝臓病、気管支炎、慢性の咳、慢性下痢、膀胱結石、老齢犬の不定愁訴などに適応します。
鍼治療は、非常に細い鍼(はり)を、身体のツボに刺して、刺激を与える治療法です。病態によって一度の治療の場合や継続していく場合があります。
歩行障害、椎間板ヘルニア、関節炎、てんかん発作、術後のリハビリ、痛みの緩和、胃腸炎、老齢犬の不定愁訴などに適応します。
灸治療は、もぐさを利用し、温めることでツボを刺激します。
上述の鍼刺激の中でも特に温めることが必要な場合は、灸療法を実施します。
灸治療は、もぐさを利用し、温めることでツボを刺激します。被毛で体を覆われている動物にも利用できるもぐさを用いて、安全に行います。
いずれの治療においても、ペットの状態に合わせて最適な方法をできるだけ負担を少なく、選択、提案いたします。