歯科診療
当院では、より積極的な歯科診療に取り組んでいます。
海外では以前から3歳以上の犬猫の85%以上に歯周病が見られるなど、獣医歯科学における論文などで多くの犬猫の口腔内の問題が指摘されてきました。
日本においても同様で、犬猫の口腔内の衛生管理はペットを家族として迎える上でとても大切なこととなっています。
お口は、栄養のスタート地点です。お口の健康を保つことは、全身状態の健康維持にもつながります。お口の中の衛生状態が悪いと食事をとれなくなったり、悪い細菌が血流にのって、心臓、腎臓、肝臓、関節などに悪影響をもたらしたりすることもわかっています。
いつまでもずっと健康で暮らすために、日頃からデンタルケアを行い、お口の中も衛生的な状態を保っていけるよう、サポートいたします。
お口の中の状態によっては、歯科レントゲン撮影、スケーリング(歯石除去)、ポリッシング(歯面研磨)をご提案いたします。スケーリングを行なった後は、その後の歯石の付着をより防ぐために歯面を研磨するポリッシングを行います。
上述のような歯科処置を行った後も、ご家庭での毎日のデンタルケアが大切です。歯磨きが苦手な子も少しでもケアができるように様々な方法をご案内しています。ご相談ください。
2019年5月に米国で紹介された約237万頭の犬で行った大規模な調査研究では、年に1回のスケーリングは死亡リスクを18.3%低下させるというものでした。
まずは、歯科検診を受けていただき、現在のお口の中の状態を把握してみましょう。ペットとの暮らしをより健康的により長く続けていくために、お口の衛生管理を継続させていくことをお勧めします。
治療における麻酔の必要性について
当院では、上記の歯科診療を全身麻酔下で行います。
全身麻酔下で行うと、眠っている間に処置が終わるため、ペットの負担が最小限となります。意識下(無麻酔下)でスケーリングなどを行うことはできません。
なぜなら麻酔をしていない状態では、ペットへの精神的な負担が大きく、また歯肉の近くや歯肉下、歯の裏側(内側)を検査したり、処置することができないためです。
表面的な処置にとどまるため見えない部分は汚れが残ったままとなり、逆に病態を進行させてしまうことにもなりかねません。
全身麻酔を施す前には血液検査や胸部レントゲン検査を行い、全身状態を確認します。また、麻酔薬も超短時間型の麻酔薬での導入、導入後は速やかに安全性の高い吸入麻酔で維持を行います。
歯科処置は完全予約制で基本的に入院の必要はなく、日帰りでの処置となります。
全身麻酔となるため、前日からの絶食・絶水が必要となります。
処置の内容は、現在のお口の中の状態により異なりますので、事前に診察をさせていただきます。